嵐の船出
なんとか University of Massachusetts Dartmouth (UMassD) の CS master の online program の admission が通ってこの9月 (2021 fall semester) から学生になりました。大学院進学を考え始めてから 2~3か月でここまで来たのは、結果からするととても早かったと思いますが、admission が出る直前の 4週間はただひたすら待ってただけだったので、時間がかかったようにも感じました。いずれにしても忘れないうちに今までやったことをまとめておこうと思います。
自分のスペック
を簡単に書いておきますと
- 最終学歴は日本で卒業した Bachelor of Engineering のみ (電子情報学科、厳密に言うと computer science ではない)。
- 米国 (California) で20年生活、Software Engineerとして働いてきた(現在も full time で働いている)。
- 仕事は基本英語、Office は San Jose だが現在のところ full remote、(team の) 同僚に日本人はいない。
- Green card 保持。
あとこれも重要な要素だと思いますが、子供が 3人います。そのうち 1人は既に大学を卒業していますが下の 2人はまだ高校生です。彼らもこれから大学進学を控えているのでお金の面ではいろいろ考える部分はあるものの、小学生あるいはそれより小さい子供がいる家庭よりは時間が作りやすいかと思います。
続けて、大学院入学までに何をやったかを以下に書きます。
どのような条件で探すか
Online で取れる CS の master program は探してみみると米国にはかなり沢山あります。その中できちんと最後に(そこそこの成績で)学位を修められる、つまり自分の level に合っているかどうかは重要です。そこで条件を考えてみると。
- 現在 full time で働いているので、relocation して on campus で class を取るというのはあまり現実的ではありません。従って全ての class を online で取れることが必須です。また class が online でも日中時間を指定された meeting が assign されていればこれも難しいでしょう、従って限りなく asynchronous に class に参加できることが望ましいです。
- Admission の requirement が自分の background でも通りやすいこと。学校ごとに admission の requirement は違いますが、必ずしも全てが必要ではありません。自分は software の work experience がそれなりにありますので、一旦入ってしまえば十分ついていけるという楽観的な気持ちもあり、ここであまり手間をかけたくないなと思いました。
- Tuition が安いこと。この時点では全額自分で払うつもりで考えていたので、安いに越したことは無いです。(まだ子供たちの将来の学費も控えているので。。)
- Course の内容が面白そう (programming の課題が多いとなお良い) 且つ challenging。本当はこれが一番重要なのでしょうが 20代の時と違いますので、1, 2, 3 よりは priority が低いかなと思います。
実際に探してみる
上記のような条件を念頭に、Google で “online cs master comparison” とか “online cs master affordable” のような keyword で検索してみます。すると、いくつか以下のような比較 site がひっかかりました。
他にもありますが、top 20 ぐらいの学校はどこも似たような顔ぶれです。これらをザっと見て admission の requirements を比較しました。
入学許可の条件 (admission requirements)
上記の site などから admission の条件と program 修了までに tuition がどれくらいかなどをざっくり知ることができます。さらに詳しい情報が知りたい場合には、学校の site への link が張ってあるのでそちらを参照します。
- GPA / transcript
Undergraduate(学部) の GPA の下限、例えば 3.0 以上とか条件を課している学校はかなりあります。4年間の GPA のところもあれば最後の2年間のみの GPA を求められることもあります。また日本の大学を卒業している場合に grade の scale が 4.0 形式ではない場合が多いのではないかと思いますが、その場合 3rd party の service などを使って変換する必要があるかも知れません。一方 no GPA required という学校もあります。いずれの場合も transcript (成績証明書、英語) の提出はほぼ必須だと思われます。 - GRE (Graduate Record Examination) score
Standardized test の一つで、verbal reasoning, quantitative reasoning, analytical writing, and critical thinking skills などの section に分かれており、3時間半から4時間くらいかけて行う試験です。このサイト などを見ればだいたいどういう試験を行うのか分かるかと思います。米国で高校、大学を卒業してきた人に取っては大したことないと思いますが、米国に長くいてもこの手の試験に慣れてないとややもたつくことは容易に想像できます。これも、各学校によりますが (この pandemic のせいもあるかも知れませんが) no GRE required のところも増えているようです。 - Undergraduate prerequisite
Computer Science の major で undergraduate を卒業しているか、もしくは relevant な course (Algorithm & Data structure, Math, etc.)などの単位を取得しているかどうかが条件になる場合があります。あるいは、もし relevant な course の単位を持ってない場合にその学校の undergraduate の指定のcourse を取ることで入学が許可される場合もあります。 - English proficiency exam
日本の大学しか卒業してないような場合、すでに米国に住んでいても International Student 扱いになる場合があります。その場合 TOEFL, IELTS などのEnglish Proficiency exam の score を求められることがあります。 - Resume / CV
いわゆる履歴書ということになると思いますが、学生が学校に入学するために書く resume の format は就職・転職時に使うものとは若干違うかも知れません。自分は普段転職時に使っている job 用の resume を若干削って簡略化したものを使用しました。 - Personal Statement / Essay
この program に apply する目的などを指定された word 数 (300~500 程度?) で書いて提出します。 - Recommendation letters
Undergraduate の生徒であれば、自分を知っている professor などに依頼するのでしょう。Work experience があるなら自分の supervisor に頼むのが良いでしょう。この letter も 1枚で良い場合も複数必要な場合もあります。
学校を選ぶ
もちろん program に自分が興味がある course があることが一番重要ですが、入学の条件が現実的なことも大事かと思います。特に自分の場合は日本の大学の成績がそれほど良くないことと、GRE のために勉強するのは本末転倒な気がしたので、no GPA required, no GRE required の条件で探しました。上記の比較 site などの中から program の内容や tuition なども比べ UMassD の MSCS online program が内容も良さそうで説明もまとまっており好印象を持ちました。ここの program の page には FAQ があり、ここを見ると GRE は必須と書いてあります。しかし、この flowchart を見るとどうやら GRE 無しでも graduate の course を取ることを条件にして master program へ apply できそうに見えます。UMassD に限らず application はほとんどの場合 web site で account を作って全て online で必須な情報を入力あるいは document を upload するような形式なので、何か不明・不足な点があればその時点で分かるはず、と思いとりあえず application process を進めることにしました。
Application を始める
Application を始めると自分の dashboard に、どの情報や document が不足しているか一目で status が分かるようになっています。自分の場合 transcript を送らなければならないのと、supervisor の recommendation letter が必要だったので、その部分は incomplete のまま application を hold していました。またこの時点では 2022 Spring semester で apply するつもりでした。すると、すぐに email で UMassD の advisor から連絡があり、いくつか質問などをやりとりしたところ 2021 fall semester までに apply すれば GRE は waive されて直接 master program が始められるというではありませんか。これは pandemic 中の特例措置ですが、この advantage を利用しない手は無いなと思い、2021 fall semester からの course で apply することにしました。
Transcript を取得する
卒業した日本の大学の transcript (英語の成績証明書)を apply している大学に送る必要があります。実は手元にはかなり前に取得したものの copy があったのですが、封筒の封は開けられておりこのままでは証明になりません。ですので、日本の大学が発行した official なものを (封書であれば開封せずに) 直接あるいは間接的に大学に送る必要があります。今時米国内の大学であれば、卒業した大学に問い合わせ大学から大学へ直接 (電子的に)送ってもらえるよう頼むことができると思うのですが、日本からだと以前の経験からあまり期待はできません。それでもダメ元で大学に電話をかけて聞いてみると、やはり 1) 大学から直接海外の大学院に送ることはできない。2) PDF などを電子的に送ることもできない。3) 証明書の申請は email で受け付けるが、切手代 (私の住所への郵送) 2400円分をこちらに送ってもらうか、誰かに学校事務の窓口まで持ってきてもらう必要がある。4) 申請自体は何通でも料金はタダである。というわけで相変わらずどうしようも無いなと思いました。国立大学の事務だからきっと国家公務員なんだろう、無駄とは思いつつ「申請1通当たり 1000円くらい取ってもいいから、海外からでもできるように検討してくれませんか? これ私がたまたま日本人だからいいですけど、海外から留学しにきて母国に帰った人が transcript 欲しいとなったらどうするんです?」と苦言を呈しておきました。結局申請書は email で送り、切手は東京に住む友人に頼んで持って行ってもらいました。その後 EMS で届いた transcript を再度 USPS で大学に送りなおしました。
Recommendation letter を依頼する
自分の場合職歴が長いこともあり、過去の supervisor でこういった recommendation letter を書いてくれそうな人はざっと考えただけで、5, 6 人はいます。自分は今までかなり上司には恵まれてきたと思いますし、そこそこ信頼関係を築いてきたという自負はあります。それでも現職の manager を差し置いて、前の boss に頼むのは fair ではないと思い (master program をやるとなると仕事への影響なども全くゼロとは言い切れないので manager には一応その旨を伝えておくべきだという考えがありましたし) 1:1 meeting の時にお願いしました。彼はその時には引き受けてくれたので、安心して彼の email を名前を application の system から入力しました (すると system から入力した email address にlink が送られそこに recommendation letter を post することができる)。その後 1週間ほど経っても dashboard の status が変わらないので、1回目の催促を送りました。もちろん彼も自分の仕事が忙しいので明らかに仕事と関係ないお願いが priority が低いのは分かります。もちろん私も彼が忙しいのは知っているので強くは言いませんでした。またそれから1週間経ってもまだ status が変わらないので再度催促しました。結局その後も全く update が無いので、大学の advisor に相談したところ、他の人誰でも良いので書いた document を直接送ってくれれば良いということだったので、すぐに前職の Boss(彼は GAFA に勤めています) に電話をして説明すると喜んで了解してくれました。その翌日には draft を私に送ってくれて (かなり盛った) recommendation letter をその翌日には office に直接送ってくれました。そういう意味では現職の in person で 1回も会ったこともないたった 1年しか一緒に仕事をしてない部下の recommendation letter を書くのは面倒くさいというのはしょうがないと思います。最初に彼に頼んだのがそもそもの間違いだなと思いました。結局その後も何度か 1:1 をやったときにもその件には全く何も触れないので、まるっきり忘れておりどうとも思ってないんだろうと思うと、腹が立たないわけではありません。が、いずれにせよ必要な書類を揃えて application を complete できたのでこれ以上蒸し返す必要もありません。
Admission を待つ
Advisor とやりとりしつつ無事に全ての書類・情報が埋まり dashboard 上では全てが完了したのが 7月末頃。Status を見ると committee によるunder review とのこと。およそ 4週間後の 8/30 に学校から email が届き、fall semester の registration の deadline が近いから不足の条件 — English proficiency exam を受ける必要がある、とのこと。4週間前にはそのような話は無かったと思いますが、status を見ると incomplete に戻っています。このギリギリになって application を review し、今さら English proficiency exam の requirement を追加してくるのが「アメリカあるある」だなと思いました。文句を言ってる暇もないので慌てて指定された TOEFL, IELTS, Duolingo の中から) Duolingo を選び English test を受け (この試験についてはまた別途解説したいと思います) 待つこと 48時間。9/1 の朝に English test の結果が出たのでそれを admission office に送り、その日のうちに admission を pass したことの連絡を受けました。これで Computer Science Master Online の student になることができました。
Tuition など
UmassD は比較サイトなどからすると最安ではありませんが、master 修了までに 10 courses を取る必要があり 1 course 当たりの tuition が $1659 です。これに諸々の fee を追加するとおよそ 1 course 当たり $2000 ぐらいになるので順調に行けば $20K くらいで master program を終了できることになります。また application を始めてから分かったのですが、現在勤めている会社の benefit に tuition reimbursement というのがあって、U.S. employee ならば年間 $5250 まで tuition (および fee) を reimburse してくれるということでした。これは当初考えてなかったので非常に助かります。
次はこれから取る course をそれぞれ review してみたいと思います。